2022年12月01日に、公式LINEが発表したニュースが衝撃的でした。
LINE公式アカウントでは、従来は[応答モード]という設定で、Webhookを利用するための[Bot]モードか、チャットを利用するための[チャット]モードのどちらかを選ぶ仕様となっていました。この仕様を変更し、2022年11月30日より、LINE公式アカウントでWebhookとチャットが併用できるようになりました。
https://developers.line.biz/ja/news/2022/12/01/use-both-chats-and-webhooks/
どういうことかというと、わかりやすく言えば
公式LINEでチャットと自動応答が併用できるようになった
ということを意味しています。
まず前提をお話しすると、これまで公式LINEはチャットと自動応答を併用できなかったんです。
例えば自動応答モードなら、「プレゼント希望」と言われた時に「プレゼントはこちらです!」と自動応答を返すことができました。
けれど、その後にお客様から「今回のプレゼント、すごくよかったです!」と感想をもらった時に
「すみません。個別の対応はできません」
という自動応答が流れてしまったんです。
チャットモードの場合は、「プレゼント希望」と言われた時に、お一人お一人コピペをしながらPDFを貼り付けるという作業が必要になってしまいました。
もう一度書きますが、これ、これまではどちらかしか選べなかったのです。
それが、2022年11月30日から、両方を併用できるようになりました。
公式LINEの拡張ツールを開発している人にとっては衝撃的なニュースです。
2022年11月1日の価格改定の見解で、「おそらくチャットと自動応答の併用に公式が対応する」と予測をしていましたが、想定よりも早い対応だったというのが感想です。
公式LINEのチャットと自動応答の併用について詳しく書きます
まず、できるだけ正確に、わかりやすい形で説明しますね。
これまでは、
- チャットモード
- botモード(自動応答など)
という「モード選択」だったんです。どちらかを選んでいるときは、もう片方ができませんでした。
2022年11月30日からは、「チャットのオン・オフ」をまずは選択することができます。

つまり、自動応答をしている時でも、チャットをすることができるのです。
公式LINEを使ってるユーザーの多くが渇望していたツールなので、本当に嬉しいです。
そして、応答方法を選択することができます。
これは、公式LINE側の機能としての自動応答やAI応答を使う場合に、設定をするものとなります。

公式LINEの拡張ツールの面白さが、さらに広がる
さて、ではLPressのような公式LINEの拡張ツールの必要性としては どう変わるでしょうか?
今回のチャットに関する改訂で「webhookの併用」が可能となりました。
つまり、チャットモードでやりとりをしながらも、特定のワードを伝えてくれた場合には、あらかじめ外部ツールで設定を行なっていた特別な自動応答を返すことができるのです。
具体的にいうと、
「プレゼント希望」とおっしゃった方に対して、「プレゼント希望ありがとうございます!PDFはこちらです!」という自動応答を返すことができつつ、
それに対して「今回のプレゼントも素敵でした!」というお友達の感想に対して、スムーズに「喜んでいただけて嬉しいです! 今後ともよろしくお願いします!」というチャットを返信することができるのです。
重ねてですが、これはこれまではできませんでした。
チャットと自動応答(webhook)の併用で懸念されること
今回の改訂は、公式LINEを運用している人にとって、特に個人事業・フリーランスから小規模事業にとっては ほぼメリットしかないと思います。個別のやりとりがすごく重要になる中で、そのやりとりをスムーズに行う機能が充実したことになります。
1点、現段階で懸念されることとしては、
チャットで運営側が返信した内容を、外部ツール側が認識できない
という点です。これはものすごく大事なポイントだと思います。
どういうことが起きるかというと、美容室やサロンでご予約を受ける時に、チャットで「4月20日の17時からですね。よろしくお願いします!」と、運営側が返信した内容をLPressが認識をすることができないので、全文検索で検索をすることができないのです。
公式LINEのチャット画面では、どういうやりとりがなされているかを確認することができますが、LPress側では「お友達が送った内容」と「自動応答した内容」だけが保存されています。
システム的にいうと、もしかしたらどこかのタイミングで
運営側がチャットで送った内容も、webhookで参照できる
という機能が追加される可能性があります。そうなったら、全てのチャット履歴を外部ツールで保存できるようになるので、さらに可能性の幅が広がります。それは今後のアップデートに期待をしたいと思います。
LPressの開発方向の調整について
今回のアップデートを受けて、LPress側では以下の機能調整を強化します。
- チャットをしている最中での、自動応答呼び出しの柔軟性を上げる
- ますます自由に増える膨大なチャットデータを、素早く直感的に管理できるUI
- ランダム応答、ストーリー応答の強化して、チャットを含めてコミュニケーションを楽しく
- 手元で開発できるというメリットを活かして、外部データとの連動をしやすく
チャットをしている最中での、自動応答呼び出しの柔軟性を上げる
今後、個人事業〜小規模事業では、ますます公式LINEのチャットが活発になります。
これまでは「チャットと自動応答」がはっきり分かれていましたが、
今後は「チャットをしている流れの中で、自動応答が発動する」という流れになります。
その時でも、おかしくないように。
チャットの間に入る自動応答も、楽しめるように。
呼び出しの柔軟性と楽しさを上げていきたいと思います。
ますます自由に増える膨大なチャットデータを、素早く直感的に管理できるUI
気軽にチャットをすることができるということは、それらの膨大なデータが蓄積されることを意味します。
例えば、「いいね!」「ウケる!」「お待ちしています!」といったナチュラルフレーズが大量にやり取りされるようになる中で「本当に必要な情報は何か」ということを把握しやすい機能が必要になります。この、膨大なデータの直感的な管理という機能を充実させていきます。
ランダム応答、ストーリー応答の強化して、チャットを含めてコミュニケーションを楽しく
チャットが開放されて、細やかな対応ができるようになる一方で、やはり自動応答の便利さと楽しさは変わらないと思います。一方で、これまでは「自動応答なのに人間っぽい」というのが許された中で、人間が対応している会話の中に自動応答が挟まれることになります。そうなると「人間っぽい自動応答」は違和感になる可能性があります。
むしろ、完全に「botです」とわかるような演出なども含めて、コミュニケーションが楽しくなるような仕組みを提案していきます。
手元で開発できるというメリットを活かして、外部データとの連動をしやすく
最後に、システム的な話になるのですが、LPressの最大の特徴は「ホームページ(WordPress)と連携していること」です。
例えば、生年月日を聞いたら四柱推命の結果を自動返信する機能や、お店のURLを聞いたら そこから新着情報を自動抽出して返信する機能や、そのデータをホームページ側で保存をして活用するということも可能になります。
通常は中規模以上の企業しか導入できないような、公式LINEのデータ活用やデータ収集の機能を、手元の公式LINEで小規模でも実現できるようになるのがLPressの面白さでもあります。そういった機能のリリースを増やしていきます。
公式LINEは、大きく進化をし続けている
最後に、今感じていることとしては、先月の公式LINEの価格改定の件もそうですが、今公式LINEが大きく変化しています。そして、今回のチャット開放を見て、「大きな変化」は「大きな進化」の序章でしかないと感じています。
これから、チャットに関するさらなる機能開放が行われたり、決済誘導がさらにスムーズになったり、個人でも気軽に商品販売や月額課金ができるようになっていくはずです。
LPressは、コミュニケーションデザインツールが開発コンセプトです。今回のチャット機能の併用が可能になったことは、コミュニケーションデザインの幅を大きく広げてくれました。
今後、おそらくさらなる便利な機能のアップデートがあると考えています。その時に、さらに楽しく活用していただけるように準備を進めていきます。